物事に寛容で、困っていると助けてもらえる──バックパッカー精神で目指す理想の姿

代表 大野 雅宏

2021.03.10

アレックスソリューションズ代表、大野 雅宏。「留学生を活かす」という経営理念のもと、「バックパッカー精神」を大切にしています。全社員が「物事に寛容で、現場での潤滑油といった存在」になることを目指そうという、大野の想いに迫ります。

バックパッカー精神で、がむしゃらに仕事に取り組む

▲バックパックの写真

バックパッカー精神とは、長期間個人で旅をするバックパッカーのような考えを持っていること。たとえば、自分のやりたいことに向けてしっかりと計画を立ててはじめるが、計画通りにはいかないこともある。そんなときにも柔軟に対応できるというような心の持ち様のことです。

ですから、必ずしもバックパッカーを経験していなくても良いのです。

私の考えるパックパッカー精神にはふたつの軸があります。ひとつ目は、変化を恐れず、いろいろな物事に寛容であることです。

 私も海外をまわっていましたが、とくにアジアや中東では想定外のことがよく起こります。その想定外を許容し計画を修正する、これを繰り返していくと意外とうまい方向へ行くものです。自分の計画を優先すると、かえってうまくいきません。

うまくいかないことを許容できるということは、いろいろな物事に寛容になれるということです。

ビジネスの中では、他人の意見を必ずしも完全に理解する必要はないと思っていますが、その意見を受け入れて、自分の意見とすり合わせ、妥協点や中間点を探す寛容さが大事だと思っています。

また物事にチャレンジするときも一緒です。できるかできないかは判断基準になりません。一旦自分の中で受け入れて、やってみてだめだったら他のことをやればいいと思っています。うまくいかないことを許容できれば、大胆にチャレンジができます。

バックパッカー精神のふたつ目は、困っているとだれかが助けてくれるもんだと思えることです。

私がトルコにバックパックで行ったときに、ある街に行こうと計画を立てました。道中、泊まるところがあると聞いていた場所にはバス停だけで、真っ暗闇の中で野宿をしたことがあります。

朝になったら街が見えたので、宿に行こうと思って歩いていたところ、街の入り口のお茶屋さんのおじさんがこっちに声をかけ、何も言わずお茶を出してくれました。そのお茶の温かかったこと。

そういう経験があって、世の中ってどこかに必ず助けてくれる人がいるのね、という実感を持つことができました。

今も会社を経営する中で、なんとなく助けてくれる人がいるんじゃないかと感じながら仕事をしています。もちろんがむしゃらに仕事はしますが、その先で誰かに助けてもらえることもある。それを信じて仕事ができることは、非常に強いと思っています。

現場の潤滑油のような存在を目指したコミュニケーション

▲オフィスの階段から

当社は、一緒に仕事をするお客様がどんどん変わっていくので、毎回新しいコミュニケーションをする必要があります。

そんなとき、旅や留学の中でいろいろな国の文化や考えを持っている人と出会って仲良くなるという経験をしている当社の社員は、初対面でもすぐに溶け込むことができます。

実際にお客様からも「いろいろな人とコミュニケーションをとることに抵抗がないのが当社のいいところ」と言ってもらえます。

また、海外の会社との仕事には、想定外のことがたくさん起こります。社員は想定外でも寛容に、自然に別のやり方で対応することを考えます。

たとえば、ある会社に急ぎで仕事を依頼して、「明日までにやります」と言ってくれたにもかかわらず、その通りに対応してくれなさそうだなと感じる場合があります。そんなときは、契約とかペナルティなどの話は持ち出さず、「どうしたら相手がやってくれるのか」という考え方をします。人を動かすためのアクションをまず考えるのです。

そういうマインドを持っている人は、日本のIT業界には実はあまり多くないと思っています。というのもこの業界は、いろんな人とコミュニケーションをとって適応していくことを難しく思う人が多い印象があるんです。

そんな中、当社の社員は、現場の中で潤滑油のような位置づけとして重宝されています。どんな方とも、突っ込んでコミュニケーションをとれるので、もともとあまり話せなかったITエンジニアとも打ち解けます。

そしてそのプロジェクトが終わって当社のメンバーが去っても、コミュニケーションを大事にする文化は現場に残り続けるんです。

社員の声からできた「フリーバカンス制度」で培われるマネジメント力

▲オフィスにて

当社には外国人や障がい者、子育てママなどいろいろなシチュエーションの人がいます。しかし、それはそれぞれのキャラクターであると捉えているため、隔てがなく、風通しも良いです。

また教えてあげることが好きな人も多く、後輩に先輩が教えてあげることを研修や週末の勉強会で行っているので、自然と文化として根付いています。そのため、「教える」ということも社内評価のポイントとして位置付けています。

新しい仕組みをつくりたい、こういう社内活動をしたいなど、社員からも声が上がってきます。実際に「フリーバカンス制度」は、社員の声からできあがりました。

「フリーバカンス制度」とは、1年以上勤務した方が対象で、次のプロジェクトまで長期有給休暇を取ることができる制度です。この制度を利用して海外旅行に行き、リフレッシュしてもらう、当社の福利厚生のひとつです。

日々の仕事に追われることで培ってきたバックパッカー精神が薄れないように、海外に行くことでなるべくそれをキープしてもらおうという想いもあります。

他には、パックパックを背負って週末海外へ行くと助成金を出すという「弾丸バックパッカー助成金」という制度を一昨年に始めました。

週末の休みに有給を加えて、3泊4日や4泊5日など弾丸で海外に旅行しに行く場合に、飛行機代などを助成する仕組みです。現在はコロナの影響でストップしていますが、実際にこの制度を利用して短期旅行に行った社員もいます。

この制度の狙いは、時間管理、タスク管理、スケジュール管理などのマネジメント力を身につけるという部分もあります。弾丸で海外に行くということは、細かいスケジューリングが必要です。

旅行自体の計画を立てる部分もそうですが、旅行へ行くための実現計画を立てることも必要で、自分が休みを取る分、その間の仕事を周りの人に振るなど、自分の仕事をマネージする必要があり、その力を弾丸バックパック旅行で身につけることができます。

仕事に段取りをつけた上で旅に出れば、海外で刺激を受けるだけでなく、英語を使って帰ってくることで、気持ちをリスタートすることができます。 

会社の雰囲気としても休暇をとって旅に出る社員に「いってらっしゃい!」というようなポジティブなムードで、それもバックパッカー精神に通じるものがあるのだと思います。

それぞれのバックパッカー精神の背景を大切に──

▲バックパッカー時代

採用面接では必ずバックパッカー精神を持っている人が欲しいという話をしています。私の経験から言って、バックパッカー精神を持っていれば、大抵の仕事はうまくいくと思っているからです。 

英語を使いたくて面接に来る人も結構多いですが、別に英語を使わせるための会社ではありません。当社は留学経験を仕事で使う会社です。

ですので、「英語を使いたいだけだったら他の会社でもいいですよ」という話も正直にお伝えしています。

面接に来る方は留学経験者が多いので、少なからず皆さんバックパッカー精神を持っていると思います。話を聞くとみんな何かしらひとつは、エピソードを持っていますね。それぞれ、自身のカルチャーショック体験を持っているので、そんな話を面接で聞くのが楽しいです。

聞くと、海外で夢を持っていろいろなことをやっていたという方が多いです。たとえばケーキ職人になりたくてフランスに行ったけれど、なかなか芽が出なくて帰ってきた人とか、プロのサーファーやプロのスキーヤーを目指していた人もいます。

海外に行ったけれど、その経験をうまく使えなくてモヤモヤしているという人が多いと思いますね。留学したけど他の会社では評価してもらえず、なかなか採用してもらえない中で当社の面接に来たという人もいます。

それぞれバックパッカー精神を持っていると思いますが、それに至る経験は、それぞれまったく異なります。

自分自身の海外経験と照らし合わせて、私の話や想いに共感できる人が来てくれているように思います。そういう人が、この先もたくさん集まってくれる組織にしていきたいですね。