失敗を恐れず挑戦し続ける。日本とイスラエルの架け橋として推進する新たな取り組み

イスラエル担当 池田 遼子

2021.08.16

アレックスソリューションズでイスラエルを拠点に活動していた池田 遼子。1年9カ月にわたる任期を終え帰国しました。しかし、思いは常にイスラエルにあるといいます。イスラエルと日本の橋渡しを自分の使命と捉え、明るく前進し続ける池田が、イスラエルのマインドやビジネス、今後の展望について語ります。

「ピンチはチャンス」イスラエルで広がるビジネスの可能性

▲イスラエルの街並み

2021年7月現在、イスラエルでは、国民のおよそ60%が2度目のワクチン接種を終えています。最近では12歳の子どももワクチンを打っていると聞いています。マスク着用の規制が一度なくなった解放感から、パーティをしたり、外へ出かけたりするようになってきました。デルタ株の流行で感染率が再び上昇し、室内ではマスクをするよう政府から指示がありましたが、しっかり守られていないと友人から聞いています。今は3度目の接種を始めています。

イスラエルへは1年半という期間を区切ってのチャレンジでしたが、結果的に1年9カ月赴任していました。今は帰国して、イスラエルと日本のオンライン文化交流イベントやプログラムの企画、アフターコロナに向けてイスラエル現地スタディツアーの計画を行っています。

イスラエルに行って実感したのは、イスラエル人には困難な状況を「チャンス」だと捉えるマインドがあること。コロナ禍になってからというもの、たとえばスタートアップ企業でこれを機に技術を売り出していこう、という機運が高まり、精力的な活動が見られました。その証拠に、2020年は2019年に比べて20%増加しました。

身近なところでも、その勢いを感じました。例えば現地の友人が働くスタートアップ企業は、空気清浄機を販売しています。AIを用いて空気の汚れを検知し、空気を入れ替えていく装置です。小さなスタートアップ企業でしたが、2021年7月に上場しました。この1年間で海外拠点も増え、ものすごい速さでサクセスストーリーが作られる様子に圧倒されました。

イスラエルの方は、新しい取り組みにも積極的ですし、社会問題を解決するために技術を生み出し続けています。

問題があればチャレンジするのが当たり前の文化。しかも、「0から1」を作るのがすごく上手なのです。何といってもアイデアが豊富。イスラエルの方は、失敗を何度も繰り返しても取り組むことをあきらめません。さらにスピード感もあるので、コロナ禍であっても挑戦し、トライアンドエラーを重ねながら事業を推進していけるのだと思います。

オンラインだからできること。コロナ禍ではじめたイスラエルと日本の交流会

▲オンライン交流会

イスラエルで感じた“困難な状況を「チャンス」だと捉えるマインド”を私自身も実践すべく、帰国しても日本とイスラエルをつなぐ取り組みを継続しています。

当初は、学生向けにイスラエルの現地海外研修を計画していましたが、コロナ禍で実現が難しくなったため、オンライン交流会を実施することになりました。無料のオンラインイベントで、イスラエルの学生さんに声をかけて、日本の学生さんをSNS等で募り、これまでに7回ほど開催。大学生向けや、高校生や一般向けとグループごとに開催し、毎回10~20人程度が参加してくれています。

集まってくれるイスラエルの学生の大半は、テレアビブ大学の東アジア学科で日本語を勉強する学生さんです。交流会では、疑問や問いかけが飛び交います。

イスラエルの方は、ひとつのことを深掘りしたり議論したりすることが大好きです。日本が単一民族に比べて、イスラエルはいわゆる多民族国家。長い間、世界中で暮らしていたユダヤ民族が移住して作った国なので、さまざまな血が混ざっています。そのため、イスラエル人にはみんな同じ考えを持っているという感覚がありません。みんな違うことが当たり前なのです。

また、イスラエル人には物事を鵜呑みにせず、まず自分で考えるというクセが身に付いています。歴史的背景からもそういった思考があると思います。

一方で日本人は突然の問いかけには弱いように感じます。単一民族で、同じ意識の中で生活している文化の影響かもしれません。

こうした日本とイスラエルの文化交流を通して、私自身も気づきがありました。それは、特に日本の参加者が、交流会を通してイスラエルの文化を知るだけでなく、自分たちのバックグラウンドとなっている自国の文化を知ることができ、気付きを得ているということです。

新型コロナウイルスが流行する前は、このイベントは開催していませんでした。ですが、実際に現地に行くことが難しいという制約ができたことで、オンラインの可能性を見つけたのです。オンラインだと、現地に来てもらわなくても人と人をつなぐことができます。コロナ禍の前後で、大きく視点が変わりました。

イスラエルに行って学ぶ「スタディツアー」開催に向けた取り組み

▲イスラエルにて

現在はオンラインでの取り組みに力を入れていますが、アフターコロナを見据えたプロジェクトも動き始めています。そのうちのひとつが、現地サポーターと一緒に進めているスタディツアー。イスラエルに興味はあるけれどなかなか一歩踏み出せないという学生さんに、1~2週間のスタディツアーを提供する、という計画です。

学ぶ内容は、イスラエルのイノベーションと起業家精神、歴史、国の背景など。現地の人や大学生同士で交流できるようなプログラムを企画しています。実施時期はまだ未定ですが、準備を進めています。

また社外向けだけではなく、社内向けの研修企画・運営も私の仕事です。社内外の人を対象としたオンライン交流会をまさに今年はじめたばかり。今後は毎月実施する予定です。国際交流をはじめ、渡航ができるようになれば、社員が実際にイスラエルへ行って研修ができるよう企画を進めています。

こうした取り組みを進める一方で、自分自身も研鑽を積みたいと考えています。アレックスソリューションズは、英語×ITの会社。ですから、社員として、まずは私自身が国際的でなければいけないな、と思っているんです。イスラエルだけでなく、いろいろな海外の人と関わる仕事をしていきたい。ボーダーレスな仕事をするのが、私の希望であり将来的な展望です。

今はこういった状況もあり、多民族の中で仕事をすることは難しい状況です。だからこそ、自分から国際交流に関するイベントに積極的に参加し、国際留学に興味のある学生さんたちと関わることで、視野を広げたいと思っています。参加したイベントからヒントを得て、自分が企画するイベントに活かし、プロジェクトに反映していきたいと考えています。

また、こうした取り組みをnoteで発信しています。読んでもらう対象は日本人を想定していて、内容は多岐にわたっていて、現地のスタートアップの話や、イスラエルならではのイベントの紹介、現地での生活の様子など。今年に入って、テレアビブ大学で日本語を勉強している現地の学生がレポートを書いてくれています。英語でもいいよ、と伝えているのですが、是非日本語で書きたい、と言ってくれているので彼女の日常について自由に書いてもらっています。

▶︎イスラエルの魅力を発信中!noteはこちら

日本とイスラエルの架け橋になるために──これからも続く挑戦の日々

▲イスラエルのパートナーと

私のミッションは、日本とイスラエルの橋渡しです。多くの若者にイスラエルの素晴らしさを知ってもらいたい。失敗を恐れない文化、自分で考える力、常識を疑う思考など、日本人にも身に付けてもらいたいことはたくさんあります。

そうした目標に向けて、これまでイスラエルでプロジェクトを推進していました。帰国こそしましたが、現在もイスラエルにいるパートナーの協力を得ながら、仕事に臨んでいます。これまでも彼女にはブログを書いてもらっていたのですが、2021年7月には正式にジョインしてもらい、さらに連携を深めながらプロジェクトを進めているところです。

一緒に仕事を進める上で難しいと感じるのは、私も彼女も英語は母語ではないという点。意思疎通できていると思っても、勘違いが生じているケースがあるんです。大切なことは会話と、テキストでさらに示すことで、正確に伝えられるよう工夫しています。

また、一緒に業務を進めるなかで、自分の考えをアウトプットすること、言語化することが難しいことなんだと実感しました。指示を出す際にどのように英語で伝えれば伝わるのか、これからさらに学んでいきたい点ですね。

一方で、パートナーの存在はとても大きいんです。スタディーツアーをやると決めても、1人だと甘えてしまうことがあります。でも誰かに宣言してしまえば、やらないわけにはいかない(笑)。「自分はやれる、やれる、やれる」というマインドで、日々取り組んでいます。

とはいえ、日本に戻ると、イスラエルで体感したチャレンジする姿勢を維持するのはなかなか難しいのが正直なところ……。失敗したらどうしよう、今まで学んだことを無駄にしてしまったらどうしよう、という思考に陥るときがあります。

ですが、考えるよりまずは先に進もう、という気持ちを意識的に持つようにしています。そのために、例えば国際的なイベントに参加して、同じ思考を持った方とコミュニケーションを取る機会を作るようにしているんです。そういう場で、海外で働きたいと思っている学生さんたちと出会うことで、「私がやっていることは間違ってない」と確信できるのです。

しかし、今取り組んでいるプロジェクトは非常にチャレンジングなので、失敗する可能性はゼロではありません。まずは一つひとつ達成し、新たなチャレンジを積み重ねていきたいですね。

これまでを振り返ると、withコロナを経験したことで、オンラインで人と人がつながれる、という大きな気付きから行動につなげることができました。まずは日本から、国際的な情報を日本人向けに発信し、ゆくゆくはプログラムに参加してイスラエルに実際に行き学んでもらえるように、着実に準備したいと思います。

アレックスソリューションズ求人募集!!

英語力を鍛えたい人、活かしたい人、ITを学んで仕事をしませんか? 社員の9割は未経験です。未経験者も積極採用をしています!

当社を舞台に、自分の夢を現実に変えていきたいと望む皆さんにお会いすることを、心から楽しみにしております。