国を越えたボーダーレスな交流の場を──イスラエル拠点でのチャレンジ
イスラエル担当 池田 遼子
2021.05.12
株式会社アレックスソリューションズに所属し、イスラエルを拠点として新規事業や海外トレーニング企画を担う池田遼子。研修を通して得たIT×英語のスキルを活かし、イスラエルと日本の文化交流の場を提供しています。今後よりボーダーレスに業務を進めたいと考える池田が、これまでの経験や仕事への想いを語ります。
ヘルプデスクを経て、イスラエルの拠点立ち上げに携わる
私は、株式会社アレックスソリューションズに入社する前に「ITとは何か」を学ぶIT研修と、ビジネス英語の研修を受講しました。
IT研修ではエンジニアが使う専門用語について学びましたが、それが現場で非常に役立ちましたね。最初の常駐先ではエンジニアをサポートするヘルプデスクのお仕事をしていたので、IT用語がわからなければ話を理解することすらできなかったと思います。
ビジネス英語の研修では、メールの書き方を学びましたが、それまでクライアントに対してメールを書くという経験がなかったので「ビジネスメールには決まった書き方があるんだ」とはじめて知って驚きました。個人的には、恥ずかしながら英語より日本語の方が大変だと感じましたね。日本人なのにうまく書けなくてショックを受けました。
入社後に常駐先で二年ほどヘルプデスク業務を行った後、社内でイスラエル新拠点の立ち上げ業務の公募に応募し、その後、異動となりました。
以前、友人が「イスラエルは良かった」と言っていたのですが、具体的にどう良かったのかずっと気になっていたんです。そこで、イスラエルに行ってその「良さ」を確かめたいという気持ちや待遇面に加え、力を試したかったこともあり、応募しました。
私が選ばれた理由の一つは、ヘルプデスクでの評価だと聞きました。
決してヘルプデスクとして技術面の力が足りていたとは思いませんが、問題を解決しようとする前向きな姿勢が評価されたんだと思います。
何か問題があったときは「誰にどう聞くべきか」を常に考えるようにしていましたね。キーマンを見つけて、人の力を借りながら、解決していく日々のプロセスの中で、自分の知識も増やしていきました。
ヘルプデスクの現場では、普段からチームとコミュニケーションを取り、困ったときに相談できるようにしていました。
ただし「まずは自分で考えろ」といわれていたので、人を頼るばかりではなく、自分でも考えるようにしていました。
ヘルプデスクの業務では、トラブルに遭遇したときに自分で考えて行動する力を鍛えてもらったと感じています。
いよいよイスラエルへ!イスラエルと日本の文化交流を進める業務を展開
社内向けヘルプデスクでの業務を経て、イスラエル拠点を立ち上げる業務に就きました。
異動後の最初のミッションは、イスラエルでの研修プログラムの作成でした。
当社の福利厚生の中に「海外研修制度」があるんですが、そのプログラム作りと、新規事業に向けた現地調査・ネットワークの拡大が主な仕事です。
今まで行った仕事として挙げられるのは「社内研修用のボランティアプログラムの作成」、「現地のスタートアップの技術を日本の関連企業に紹介する事業」、そして、「イスラエルと日本の文化交流プログラムの作成」の3つ。
このうち、後者のふたつは新規事業の種になる業務です。
現在行っている「イスラエルと日本の交流プログラム」では、オンラインインターンシッププログラムと、オンライン交流会の準備を進めています。
インターンシップに関しては、新型コロナの状況的に日本の大学生が海外インターンシップに参加できない状態になってしまった背景があって、現在は興味のある学生を集めてオンラインで試運転を行っているところです。
日本の大学生をイスラエルのスタートアップ企業やベンチャーキャピタルなどに受け入れてもらい、週1回ミーティングをしながらインターンシップを実施しています。
もともと英語を話すのが好きで、海外の文化を知りたいという学生さんが多いですね。あとは、将来起業したいという学生さんも多いです。イスラエルは起業家大国といわれており、毎年多くのスタートアップ企業が誕生しています。その情報を耳にしてイスラエルに興味を持った学生さんが応募してくれることもあるんです。
私は、日本人をもっとイスラエルに留学させたいと考えています。
新型コロナが収まったら、より多くの日本人にイスラエルに来てもらうのが私の理想です。オンラインで見える部分というのはほんの一部なので、現地に行かなければわからない部分がほとんど。最終的には、日本の大学生をイスラエル現地まで連れていくつもりでやっています。日本の学生や若い方がイスラエルに来てくれた際には、現地スタディーツアーやインターンシップを展開できるようにしていきたいと思っています。
現在はそこに向けて、実践と情報収集の段階です。
すべての責任を負う大変さと、挑戦を後押ししてくれるイスラエルの文化
イスラエルの拠点作りは、現在ひとりで担当しています。週に1回、他の海外拠点担当と、代表の大野とオンラインでミーティングや相談をしているものの、基本的にはひとりで、さまざまな人に頼りながら仕事をしているのが現状ですね。
誰の指示も受けずに自分で仕事や課題を見つけ、ひとりで始めて、ひとりで完結しなくてはいけません。
すべて自分の責任であり、ほかの誰のせいにもできないというところが、大きなやりがいであると同時にとても大変なところです。
本当にこの方向性でいいのかな、と不安に思うことももちろんあります。それでも前に進まなければならないので「自信がなくても自信を持つ」と私自身の中の軸を決めているんです。
ゼロからイチを作り出すため、不安になることも多い仕事ではありますが、仕事を進めるプロセスでいろいろなことに気づかされました。
自分が立てた計画の不十分さを思い知らされる場面も少なくありません。また、自分ひとりで業務を進めているとわからないことも出てくるので、そのようなときは友人や頼れる人たちに相談しながら試行錯誤をしている状態です。
最近嬉しかったのは、イスラエルと日本の大学生の交流会を行ったときのこと。
以前から大学生同士の交流会を定期的に行おうと計画していて、先日やっと第1回が開催できました。結果的に25名の大学生が集まってくれました。複数人でゲームを行ったり、さまざまなテーマについて話し合ったりする活動を90分間行ったんです。
交流会参加者の感想はとても良く、多くの参加者が「これはすばらしい」「もう一度やろう」と喜んでくれたのが印象的でした。私が出したアイデアに対して、参加した人が「いいね」と肯定してくれたことがとても嬉しかったですね。
イスラエルでは「失敗を褒める」という考えが根づいています。良いと思ったら迷っていないでやるべきだし、成功に向かうからこそ失敗はついてくる、ということをイスラエルで学んだのは非常にいい経験になっています。
また、イスラエルでは「チャレンジしている人」を高く評価する風潮があります。イスラエルに生きる人々のポジティブさを見習って私自身も積極的に挑戦し、少しずつでもいいので前進して、コミュニティも大きくしていきたいと考えています。
挑戦し続けることでスキルを伸ばし、よりボーダーレスな仕事がしたい
私は、社内イベントの他に、社外向けの交流会にもときどき参加しています。英語でのコミュニケーションをとることもできます。
また、社内メンバー同士で学び合える勉強会という場もできました。アレックスソリューションズの社員が同僚に向けて、得意なスキルをレクチャーできる機会なので、私も今後参加したいですね。みんなの経験に基づく実践的な技術や言語などを学べるのは非常に良いと思います。
これから新しく挑戦したいと思っているのは、英語力の向上と仕事のブラッシュアップです。また、私は継続する力が弱いと感じているので、ゼロからイチにするだけでなく、作り上げたものを継続していくことも挑戦のひとつだと考えています。
「IT×英語」は今後強く求められる組み合わせです。
将来的に英語とITは必須になってくると思うので、身につけておくと有力なスキルだと思います。IT業務では問題が起こった時に、ものごとを分解して論理的に考える必要があるので、ロジカルシンキングの癖がつきます。とても成長できる分野だということをもっと知ってほしいですね。
今後のキャリアとしては、できれば国を問わずにボーダーレスな仕事がしたいです。
人と人をつないで学び合える交流会の魅力を強く感じているので、それをグローバルに展開したい。オンラインが普及した現在ですから、世界中どこにいてもいろんな人とつながれるような仕事がしたいですね。そういった意味では、もしかしたら現在担当している仕事はひとつの最適解なのかもしれません。
また、私は日本人なので、日本人のためになる仕事をしたいという気持ちが強いです。日本人の視野が広がるようなプログラムを作っていこうと思います。若い人がもっと気軽に世界につながるような世界にしていくためにも、もっとできることはないか、と感じますね。
私自身、ある意味世界と気軽につながっていると実感しているので、そこに引き込めるようなプログラムを作るなら、ボーダーはあまり意識しなくていいと思います。ボタンひとつでつながることができるオンラインは気軽だな、と最近よく感じますね。
これからは、具体的なコンテンツを増やしていきたいです。学びの多い異文化交流が、若い人を中心に広がっていく機会を作っていきたいと考えています。そうした事業には、これまでの私の経験も活かせるんじゃないかと。世界は考えている以上に多様なんだ、ということをいろんな人に発見してもらえると、日本人としても嬉しいですね。
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